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不思議なかたちの移動式コンサート・ホール@六本木

2017.10.13.Fri.21:55
先週、10/4水曜は東京出張でした。
昼までに打ち合わせをサクッと終わらせました。
今回の上京にはもうひとつ目的がありました。

それは六本木の東京ミッドタウンで
「ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 2017」にやってきた
移動式コンサート・ホールを見るためです。
このホールの名前は「アーク・ノヴァ(ARK NOVA)」。
意味は、“新しい方舟”。
音楽や芸術を通して東日本大震災の復興支援の一環として、
これまで松島、仙台、福島の音楽祭で利用されてきました。
そして今年は東京へやってきました。

この建築物は、建築家の磯崎新氏と
インド系英国人彫刻家のアニッシュ・カプーア氏によってデザインされました。
高さ18m・幅30m・奥行36mの空気膜構造による巨大な移動式コンサートホール。
床面積642平米。C種膜材の厚さは.63mm。建築の重さは約1,700kg。(軽い!)
1時間ほどの送風で、風船のように膨らみます。
構造の考え方は、東京ドームと同じです。
イベントが終わると、折り畳んでトラックで輸送できます。

私は15時からはじまるコンサートに間にあうように
地下鉄・乃木坂駅から急ぎ足。
ナスのような不思議な形が見えてきました。
やわらかい3次曲線はいままで見たことがありません。

彫刻家カプーアの作品は、森美術館で1度だけみたことがあります。
「私が妊娠した時」というレリープです。
妊婦さんのお腹のような不思議なかたちをした作品でしたが、
このアーク・ノヴァにも、彼の作風がよく顕れているような気がしました。

ホール内は正圧になっているので、
空気が漏れないように回転ドアからひとりずつ入場します。
これは東京ドームと同じですね。

内部空間は、ホール後方から天井にかけて横断する
柱のようなダイナミックなドーナツホールが印象的です。
これは天井部の膜を支えるはたらきをしているようにも見えます。
まるで臓器の中に潜り込んだような不思議な感じでした。
ウルトラ世代の私は、ウルトラセブンが米粒ぐらいの大きさになって
人の胎内の中に入っていって、怪獣と戦ったシーンを思い出しましたw。

16年ほど前、新設の小学校を設計した時、
昇降口の上部にトップライトを兼ねたドームに膜構造を使用したことがあります。
この時は機能上、かつ法規的な規制があり
空気膜ではなく、構造材に膜を張ったかたちにしました。
構造計算書も、見慣れたものとはちょっと計算方法が違っていましたねw。

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私が聴いたコンサートは、
ルツェルン・フェスティバル・アカデミー修了生による室内楽です。
桑原香矢(ヴァイオリン)、東摩耶(ヴァイオリン)、
大野若菜(ヴィオラ)、サイモン・トンプソン(チェロ))

演目は
ボロディン:弦楽四重奏曲第2番 ニ長調
マリー・シェーファー:弦楽四重奏曲第12番

アコースティックな音を聴くホールとしては
やはり物足りないものがありますが、
仮設の移動式ホールとしては、まあまあ許せる範囲でした。
反射音はあまり感じることができず、
直接音を聴くだけのホールでした。

ボロディンの弦楽四重奏の濃厚は響きはあまり感じることができず、
美しい旋律がちょっと浮いた感じでしたね。
一方で、現代音楽の作曲家マリー・シェーファーの作品は環境音楽的でした。
こういう音楽の方がこのホールには合いますね。

こういう移動式ホールで音楽を聴くのも
一興でした。
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