69歳グルベローヴァが歌う超絶アリア…古川に水絶えず

2016.10.20.Thu.13:00
昨夜、水戸の茨城県立県民文化センターで
旧チェコ出身の世界的なコロラトゥーラ・ソプラノ歌手エディタ・グルベローヴァの
オペラ・アリアのコンサートを聴きました。
16年前にウィーン国立歌劇場の来日公演で、
リヒャルト・シュトラウスの歌劇「ナクソス島のアリアドネ」を聴いた時、
ツェルビネッタ役が歌う難アリア“偉大なる王女さま”を歌った
グルベローヴァの強靭な歌声にはビックリでした。

しかし今、彼女は69歳。(1946年生まれ、12月には70歳に!)
もうピークは過ぎてしまったのでは?と思ってながらも
せっかく県民文化センター開館50周年記念事業で水戸に来るというので、
今回の来日が最後になるかもしれないと思い、
「腐っても鯛」だろうという気持ちでチケットを買いました。

今回のオペラ・アリアのコンサートは、「2つの狂乱の場を歌う」というサブタイトル付き。
前半にドニゼッティの「ルチア」、後半にベッリーニの「清教徒」の狂乱の場と呼ばれる箇所の
コロラトゥーラの難曲アリアが歌われました。
聴いてビックリ。
69歳とは思えないのびやかなで張りがある歌声。声量も十分。
弱音や最高音域には、声に多少の揺れのようなものがあったものの
世紀の大歌手の貫禄を十分に感じることができました。
歌っている時は、たえず役に入りきっているかのようでした。
当初、「腐っても鯛」かなと思っていましたが、
それを「古川に水絶えず」と言い換えたいと思いました。

私が考えるグルベローヴァの特徴は
強靭な声質と超絶的な技術だと思っていました。
しかしその強靭さは逆に鋭角的な印象を感じることがありましたが、
加齢によってその鋭角さがあまり感じられす、
全体としてはいい意味でのエイジング化したなぁと感慨深く思いました。
一方で、最高音域の部分になると苦しそうな表情で歌っていたのは
年齢を考えたら無理もありませんが、演奏上の事故はとりあえず無しで良かった。
ヴィブラートはとても滑らかでキレイでした。
(ホールほぼ中央やや右の席だったので、
私はサッカー観戦用の双眼鏡でガン見しながら聴いていました。)

プログラムはグルベローヴァの年齢や体力から、
・キチンと歌える演目からの選曲
・管弦楽曲とアリアを交互に演奏する
・前後半のお色直しで目でも楽しませる(シルバーと水色のドレス)
ということが考慮されていたようです。
それでも、ドニゼッティやベッリーニのアリアを
見事に歌い上げたことは大したものです。

ステージ前方のいわゆるかぶりつきの席には
遠方から聴きにきたと思われる
グルベローヴァの応援団のような人々が熱狂していました。
最後には横断幕まで掲げていました。
後方から観察していて、おもしろかったです。
彼らの拍手のスピードや「ブラヴァー」の声の大きさは
後方の人の倍ぐらいありましたねwww。

アンコールでは
「トゥーランドット」のリューのアリアと
「こうもり」のアデーレのアリアが歌われました。
この時は、指揮者やヴァイオリン奏者をおちょくるというユーモアも!

この後、グルベローヴァは、
ノルマを福岡、大阪、名古屋、東京で4公演、
アリア・コンサートを東京で1公演行い、
11/12の最終公演は川口でリート・リサイタル。
私はこのリートリサイタルも聴きにいきます。
もしかしたら、日本における「さよならコンサート」になるかもしれません。
彼女の母国の作曲家ドヴォルザークの歌曲などが歌われます。
そして私の願いは、彼女が引退する前に
私が大好きなリヒャルト・シュトラウスの「4つの最後の歌」を録音してほしいということです。
これ以上、彼女に相応しい音楽はないと思います。

PS
ドニゼッティ作曲の「ロベルト・デヴリュー」序曲という曲をはじめて聴きました。
あっと思っのはイギリス国歌の“God Save the Queen”のフレーズが流れてきたこと。
休憩時間に、オペラ通のMさんに訊いてみたら、
このオペラの舞台がイギリスだと知り、ガッテンしました。


■茨城県立県民文化センター開館50周年記念事業
■エディタ・グルベローヴァ オペラ名曲を歌う~2つの狂乱の場
■2016年10月19日(水)18:00

水戸二高コーラス部とオーケストラの共演
♪ヨハン・シュトラウス2世:「こうもり」より“ひとりになるのね”

♪ロッシーニ:「セビリアの理髪師」序曲
♪ドニゼッティ:「シャモニーのリンダ」第1幕より アリア“私の心の光”
♪ドニゼッティ:「ドン・パスクァーレ」序曲
♪ドニゼッティ:「ランメルモールのルチア」第2幕~狂乱の場
         ~“あの方の優しいお声が”~アリア“苦い涙をこぼして下さい”
♪ドニゼッティ:「ロベルト・デヴリュー」序曲
♪ドニゼッティ:「ロベルト・デヴリュー」より
          “公爵夫人、熱心な嘆願を”~アリア“彼の愛が私を幸せにした”
 【休 憩】
♪ベッリーニ:「ノルマ」序曲
♪ベッリーニ:「清教徒」第2幕より ~狂乱の場
         ~ “ここであなたの優しいお声が”~アリア“いらっしゃい、愛しい方”
♪マスネ:「タイス」より間奏曲“タイスの瞑想曲”
♪ベッリーニ:「異国女」よりレチタティーヴォ「彼らは祭壇にいます」~2幕フィナーレ
 【アンコール】
♪プッチーニ:「トゥーランドット」~“お聞きください、王子様”
♪ヨハン・シュトラウス2世:「こうもり」~“無垢な田舎娘を演じる時は”
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