カンディンスキーの画の思い出

2016.09.13.Tue.21:22
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9/8木曜、私にとって珍しく仕事なしの上京でした。
午後と夜に音楽会へ行くことが主目的でしたが、午前は展覧会へ。
9/22で終わってしまう「ポンピドゥー・センター傑作展」を都美術館で
急いで見てきました。

パリのポンピドゥ−・センターは近現代美術のコレクションを誇る美術館です。
チラシを見ても分かるようにピカソ、シャガール、マティスなど
美術の教科書でみたことがあるような有名な20世紀の絵画から
あまり知られていない隠れた名品まで幅広いコレクションを誇っています。

私がはじめてパリへ行ったのは1989年。
建築学科の学生だった私は、エッフェル塔やルーブル宮やオルセーよりも
先に行きたかったところが、このポンピドゥー・センターでした。
なぜならこの美術館の建築そのものに興味があったからです。

現代美術に造詣が深かったジョルジュ・ポンピドゥー大統領の尽力できたこの美術館は、
国際設計コンペを勝ち抜いたレンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースの案。
デザインの特徴は構造部材や設備機器などをデザインモチーフにした異色なところです。
建物を支える柱や梁などの構造部材をむき出しにし、
電気・衛生給排水・空調などの配管やダクト、
階段・エスカレーターも外部に露出させています。
当時としてはアグレッシブでありえないデザインに
竣工当時の1977年には「美しくない」とか「景観を損なう」など
賛否両論の大論争だったらしいです。
しかし私が訪れたころは、この前衛建築も街に馴染んでいました。
設備スペースなどが外部に露出したデザインになったため、
館内の内部の展示スペースはたしかに広々としていました。

展覧会の話に戻しましょう。
この展覧会の特徴は1906年から1977年の間で
1年1作家1作品という展示というかたちになっています。
分類という従来のかたちでなく、時系列に絵画が並ぶことで
時代の変化を感じながら見るということになりますね。
前衛的かつ抽象的な作品のそばに
ローランサンや藤田嗣治の絵画が飾られたりすると、
やはり美術の歴史は多様と思わざるをえませんねw。

1945年の第二次世界大戦の年は特別の年ということで
作品の壁にはなにも掛けられず、そのかわりに
エディット・ピアフが歌う「ラ・ヴィアン・ローズ」が静かに流れていました。

展示されている作品の中で私の好みは、
ブランクーシ、ジャコメッティ、カルダーの立体作品でした。
それと作品ごとに芸術家の言葉が記されていましたが、
ポリアコフという画家の言葉、
「人はかたちを見るとき、それを聴かなければならない」にはキュンとしましたw。
これは音楽と同じで、かたちから作者の言葉を聴け!と翻訳しました。

それと展示作品の中にあった
ワシリー・カンディンスキー画の「30」という作品と対峙した時は
とても懐かしい気持ちになりました。
この絵と対面するのは4回目です。
はじめて見たのは、30年ぐらい前のカンディンスキー展@東京でした。
30個の白黒の市松模様の中に不思議なかたちが描かれています。
それがメロディ、リズム、ハーモニーのように感じられ
まさにそこから音楽が聴こえてくるような作品。
それに加えて、速度感もあります。
視覚から響きを感じられるのは私にとって新感覚。
とても感激した記憶があります。

カンディンスキー展をみた直後、ピアニストでもある友人から
室内楽のサロン・コンサートのチケット・デザインを依頼され、
この「30」を再構成したコラージュ風のチケットをつくってしまいました。
私のポートフォリオを探してみたら、そのチケットが奇跡的に発見されました。
今、見ると学生っぽくて気恥ずかしいですね。
当時の私は、チケットから音が感じられるモノを作りたかったのでしょうかw。
音楽会には「花のかんむり」というお題があったので用紙は真紅を採用。
これは「30」の葉書とチケットの30年越しの2ショット。

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