ティンパニの音で名人を偲ぶ

2016.03.01.Tue.14:23
2/25の朝、あるティンパニ奏者の訃報がツイッターなどで流れました。その方の名はローランド・アルトマン(75)。彼は名門ウィーン・フィルハーモニー楽団のティンパニ奏者でしたが、定年後、小澤征爾氏に請われて、水戸室内管弦楽団のティンパニ奏者として2010年ごろから水戸室内管の定期演奏会に登場するようになりました。私は彼のティンパニの音がたいへんに気に入りました。特に弱い音、柔らかい音で、オーケストラの音場感を支えるのが素晴らしくうまい。ここ数年、ガン治療などで来日できないこともあり心配していました。

彼がウィーン・フィルの楽団員となった1975年以降のカラヤン、バーンスタイン、クライバー・アバドなど歴史上の大指揮者らと残したCDには、アルトマン氏がティンパニがたたく音を確認することができます。私はアルトマン氏を偲ぶために聴くCDに、ブラームス作曲の「ドイツ・レクイエム」を選びました。1987年にカルロ・マリア・ジュリーニがウィーン・フィルを指揮したものです。したがってアルトマン氏は46歳ぐらい。「ドイツ・レクイエム」はティンパニが活躍する曲でも有名です。特に第2・3・6曲目。第2曲目の「人はみな草のごとく」は、ティンパニが葬送行進曲風に弱音で連打するところがあります。こういうところに、ティンパニ奏者の技量がよくでるような気がします。

せっかくなので、私がこれまでに買った別の「ドイツ・レクイエム」でも、その第2曲目を聴き比べてみました。ジュリーニ盤以外では、クレンペラー盤、テンシュテット盤、サヴァリッシュ盤、クーベリック盤、コルボ盤、カラヤン盤、アーノンクール盤、ヤルヴィ盤。

すると、大方のティンパニ奏者の響きは「タタタターン」「ポポポポーン」という音色なのに対し、アルトマン氏が叩くジュリーニ盤は「トゥトゥトゥトゥーン」という音に聴こえました。音色が沈みめで深めの響きという印象でしょうか。指揮者のテンポや指示、あるいは楽器のちがいによって、当然、音はちがってことは分かっています。聴く人の好みによっても、どの演奏がイイかという評価は分かれるでしょう。ただ、確信を持って言えるのは、水戸室内管弦楽団の定期演奏会で聴いたアルトマン氏のティンパニの響き方は、ウィーン・フィルのCDのティンパニの音の響き方と同じように聴こえた気がしたことです。私情も入っているとは思いますが…。

当分は、アルトマン氏以上のティンパニをライブで聴くことがはできないでしょうね。非常に残念ですが、その日がくることを待ち望んでいます。アルトマン氏のご冥福をお祈りします。

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