建築と料理の断面

2015.06.08.Mon.16:07
週末、自由時間なしの東京出張や、
深夜の欧州CLリーグ決勝のTV観戦などが重なって
超・疲労困憊。
日記のUPができませんでした(汗)

私が食べ物の断面観賞が大好きで
自虐的に「断面フェチ」と称して、
駄文を時々、UPしてきました。

おもしろい断面をもつ食べ物の
調理法に類型化すると
3種になると考えています。

①水平系調理法
フレンチのテリーヌのように
細長い食材を並べるようにつくられるので、
ヨコ方向へ調理されるイメージ。
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②垂直系調理法
サンドイッチやホールケーキのように
食材をタテ方向へ積み上げられるイメージ。
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③巻き物系調理法
恵方巻きやロールケーキがその例。
調理手順は①のように水平をイメージしながら食材を並べ、
それらを巻くことで整形するイメージ。
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でもやはり料理の断面は
つくる手順などで分類するよりも、
食材の組み合わせの妙、色彩、食材のかたちの面白さ、食感、そして味を
語る方がずっと楽しいですね。

先日、東京出張のついでに上野の西洋美術館へ行きました。
その目的はヨハネス・フェルメールに帰属するとされる
「聖プラクセディス」を見るというだけでした。
しかしながら、それ以外によいネと思ったことは、
・常設展示の写真撮影が可能になっていたこと。(ストロボはNG)
・西洋美術館の断面模型が展示されていたこと。  でした。
いつかブログのネタにしようと思って、撮ってきました。

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20世紀の大建築家ル・コルビュジエが基本設計をした国立西洋美術館は
絵画や彫刻だけでなく、建築も見どころです。
断面の模型があると、空間構成、構造計画、採光計画、プロポーションなど
建築学を専攻した私にとっては、
設計者が意図していたことがいろいろ読み取れて楽しいです。
私が料理の断面フェチになったのはそういう理由でしょうか(笑)

このような模型をオーナーに見せると、
建築の専門ではない一般の人にも
自分たちがどのようなものを作りたいのかが
ひと目で理解していただくのとができるので
断面図よりもずっとてっとり早いです。
私も必要に応じて模型を作ります。

特記すべきなのは、
この模型は昭和34年の竣工当時のものではなく
耐震改修工事が済んだ現在のものだということでしょうか。
なぜなら当時は免震構造がなかったからです。
免震装置の箇所には、アイソレーターとダンパーが据え付けられるスペースを
既設の建物をそのまま維持しながら、難しい改修工事が行われていたようです。
建物と地面が絶縁されたかたちになっているのが模型で分かります。
(一般的には、免震レトロフィット工法と呼ばれています。)

意匠的な面では、
ル・コルビュジエが提唱した「近代建築の五原則」が
この断面模型からも垣間見れます。

ピロティ…エントランスのところに見られます。
屋上庭園…実際は使われていませんが、屋上を庭園風にできそうな感じがします。
水平連続窓…横に長いトップライトが効果的な自然採光になっています。
自由な立面…2.26mの低い天井と、吹き抜けの高天井のメリハリが効果的です。
自由な平面…スロープなど自由に行き来できる動線が見て取れます。

ル・コルビュジエは生涯3つの美術館を設計しました。
東京以外ではインドのアーメダバードとチャンディガールにあります。
私は2004年にのインド外遊をした時、これらの美術館を訪れました。
施工の精度や全体的な完成度という点では東京のものが美しいですが、
空間の強度や「成長する建築」というコルビュジエのコンセプトの具現性、
空間の自由さとう点では、これらのインドの美術館に感銘を受けました。

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