馬上杯をつくる

2015.03.16.Mon.10:01
東京・成城の短歌の会に、
私は不定期に遊びに行っています。
(私の事務所はこの会の賛助会員になっています。)

年に一度、
備前で工房を持っている作家の先生を招いて
備前焼の器をつくる特別の例会があります。
昨年、参加してきましたが、
その時に私がつくった器が「馬上杯」。

だいぶ前、友人のU氏邸に行った時、
めずらしいかたちの器で
お抹茶を出していただきました。
それが下の画像です。

201404251824aa.jpg

骨董に詳しいT氏の話では、「馬上杯」といって
昔の人が、馬の上で酒を飲みやすいように
高台が特徴的になっていると教えていただきました。
「高台の下に穴が開いているのはどうしてですか?」と問うと、
「おそらくこの穴に紐を通して、馬の背に携帯した名残じゃないかな。」という答え。

どこかへ行く時、
何かを携帯したい~と思うのは、
今と変わりないようですね。
現代のペットボトルの感覚に近い
と想像してみました。

私は、このデザインが気に入り、
この備前焼きをつくる会で
実際に馬上杯を作ってみたいと思っていました。

半日あまりの時間のなかで
手びねりでつくるのはたいへんでしたが、
備前の土と格闘して、成形しました。
粘土で遊んだ図工の時間よりもずっと集中しました。

馬上杯は、
手にフィットして持ちやすく、軽くないと意味がないので、
できるだけ自分の手に馴染み、かつ薄くつくることに苦心しました。
それと、焼いたら器が縮むことも計算しなければなりません。

なんとか成形した器を備前にふたたび送り、
登り窯で焼いていただいた私の馬上杯が下の画像です。

2014bizen1aa.jpg

IMG_1754aaa.jpg


表面にせっき質タイルのようなスクラッチ状にして
テクスチュアを出してみました。
手に持った時、
ガラケーやスマホを持った感覚をイメージしました。

私が満足したのは、
苦心の末に、1個あたり280グラム程度で軽く、
自分の手に馴染んで持ちやすいことです。
自宅で、音楽を聴いたり、サッカーをテレビ観戦する時、
この器にお酒を注いで、悦に浸っています。
ほとんど自己満足の世界です。

しかし、
地獄の苦しみはこの後に待っていました。
この備前焼きをつくる会に参加したことを
歌に詠む~という宿題が
短歌の先生から出されたからです。
なんとか、私がひねり出したのが下の歌です。
土をこねるよりも、歌を詠むほうがずっと難しいです。

野を駆ける
馬の背で飲む
いにしえの
酒おもいつつ
こねるさかづき


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