25年ぶりに聴いたネヴィル・マリナー(2/2)

2014.11.18.Tue.23:55
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■NHK交響楽団第1793回定期公演(Aプロ)
■2014年11月15日(土)18時@NHKホール
指揮:ネヴィル・マリナー
ヴァイオリン独奏:セルゲイ・ハチャトリアン
♪ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調op61
(アンコール)バッハ:サラバンド~無伴奏vnの為のパルティータ第2番ニ短調
【休 憩】
♪ブラームス:交響曲第1番ハ短調op68

昨日の日記につづきです。
25年前のマリナーの演奏会のことは覚えていませんが、
3日前に聴いたマリナーの演奏会の記憶は鮮明ですw。
(聞いた話しですが、ネヴィル・マリナーは
この公演の数日前に、マレイ・ペライアが弾き振りした
アカデミー室内管弦楽団の東京公演(@サントリーH)に姿を見せていたそうです。)

この公演で私が感じたことは、おおむね以下の通りです。
①90歳のマリナーの指揮はまあまあの佳演。
②ベートーヴェンは遅め、ブラームスは早めのテンポ設定。
③ティンパニ奏者への苦言。
④セルゲイ・ハチャトリアンは有望な若手ヴァイオリン奏者。

①90歳のマリナーの指揮はまあまあの佳演

今回のN響定期の指揮は、
もともとレナード・スラットキンが予定されていました。
しかし健康上の理由で来日が不可能になり、
急遽、ネヴィル・マリナーが指揮をつとめることになりました。
プログラム変更は後半のみで、
「ダフニスとクロエ」などラヴェルの3つの管弦楽曲から、
ブラ1へ変更されました。
高齢のマリナー(90)ですが、オーケストラも奮起して
まあまあの瑞々しい音楽を聴かせてくれたと思います。
しかしドイツのオーケストラが出す音色が、
重厚でコクのあるバターのようとするなら
マリナーがN響から出していた音は、
透明度が高いハーモニーと伸びやかさから
あっさりした浅漬のような響きのようだと感じました。

②ベートーヴェンは遅め、ブラームスは早めのテンポ設定。

最初に演奏されたベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、
非常に遅いテンポで演奏されました。
演奏は50分ぐらいかかったと思います。
これは明らかに独奏者のテンポです。
独奏者が指揮者だったと言ってもいい。
マリナーは独奏者のセルゲイ・ハチャトリアンに音楽づくりを委ねたかたちとなり
いい意味で指揮者とオーケストラは独奏者のアシストに徹していました。
ゆるやかなテンポの中で、
私は恒星を回る惑星の軌道のようなものを感じました。

一方でブラ1は早めのテンポで演奏されました。
冒頭では、弦とティンパニが合わないシーンもありました。
最初はちょっと戸惑いましたが、最近のリッカルド・シャイーのCDのように
早めのテンポでベートーヴェンやブラームスを聴くのには慣れてきたので、
まぁこういう演奏もアリかなと思えるようになっています(笑)
小気味良く、シャキッとライブ感がある活き活きとした響き。
最近、マイブームのハイドンあたりをイメージさせますね。
第2楽章の叙情的なところを強調することで、
他楽章と緩急が対比的になっていました。

③ティンパニ奏者への苦言

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲とブラ1で、
ポイントとなるのがティンパニです。
2曲とも、冒頭からティンパニの連打が印象的な音楽。
心臓の鼓動のように重要なはたらきを担っていますが、
目立ちすぎては音楽を台無しにしていまします。
そのあたりのさじ加減がとても重要なんですよね。

しかしながらN響のティンパニ奏者は悪目立ちしすぎていましたね。
ブラ1では、第一楽章冒頭からオーケストラとも合わないところがあったし、
第4楽章のコーダ以降では、演奏の流れを不連続にしてしまうような
大音響の叩きをしていて、私をガッカリさせてくれました。
私の地元・茨城のあるオーケストラのティンパニ奏者の方が100倍上手い。
彼の名はローランド・アルトマン。
彼の妙技に慣れている私には、N響のティンパニ奏者はダメダメでした。

④独奏者セルゲイ・ハチャトリアンついて

彼の姓から、あの大作曲家を思い出しますが、縁故はないようです。
グァルネリ・デル・ジュスの美音と老練な巨匠のようなテンポ感に驚きました。
弱音もも伸びがあり、彫りが深い表現だったと思います。
インフォメーションはありませんでしたが、
カデンツァは重音が印象的なクライスラーのものでしょう。
はじめて聴いた名前でしたが、
若い彼の今後の活躍が期待できそうです。

■演奏会の評価(5点満点)
1|演奏内容の満足度:4.0
2|ホールのホスピタリティ:3.8
3|聴衆の態度・集中度:3.0
4|総合的な感銘度:3.8
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