新ダヴィッド同盟(4回目の演奏会)

2014.11.01.Sat.20:19
■新ダヴィッド同盟 (4回目の演奏会)
■2014年10月31日(金)19:00開演@水戸芸術館
(Aプログラム)
♪モーツァルト:ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 K.478(庄司・磯村・グリーン・小菅)
♪コダーイ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 作品7(佐藤・グリーン)
【休 憩】
♪フランク:ピアノ五重奏曲 ヘ短調 (全員)
【アンコール】
♪ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲第2番イ長調作品81~第3楽章スケルツォ(全員)

【出演】
庄司紗矢香(ヴァイオリン)
佐藤俊介(ヴァイオリン)
磯村和英(ヴィオラ)
クライヴ・グリーンスミス(チェロ/ゲスト)
小菅優(ピアノ)

昨日、水戸芸術館で豪華メンバーによる室内楽を楽しんできました。
このアンサンブルは常設のものでなく、原則1年に1回集まります。
2012年の第3回演奏会後、私は以下のようなことを書きました。

メロスやハーゲンのような常設の弦楽四重奏団を
長い時間煮込んだシチューとするなら
新ダヴィッド同盟のような非常設の室内アンサンブルは
新鮮で個性的な野菜のサラダ。
短期期間で手早くパッと仕上げる。
しかし魔法のドレッシングでまとめあげ
「一期一会」感がある。

しかし、今回はちょっと違った感じがしました。
昨夜の第4回目にあたる本演奏会では
ようやくメンバーの個性がぶつかるという構図から
融和した感じがようやく出来きたように思えました。

それは筆頭格の庄司紗矢香氏が仲間を引っ張るという気負いが減り
アンサンブルを楽しむ余裕が出てきたことに因ると思います。
庄司氏が全体の舵を取る船長であることが間違いないのですが、
ピアノの小菅優氏が絶妙に船の「碇」になって
全体を落ち着かせていたようにも感じられました。
このアンサンブルは、船長と碇が気分よく演奏している時が
いちばんよい状態のように思います。

モーツァルトのピアノ四重奏曲第1番はト短調となっているものの
K550やK516のようなト短調の悲哀を感じさせるような音楽にはなっていません。
全体的な陽性が支配的で、下降の音型と上昇の音型がスリリング、
まあまあの佳演だったと思います。
この曲はピアノ四重奏曲ですが、
私には「ピアノ&弦楽トリオ」と言ってもよいぐらい
ピアノ独奏と弦アンサンブルの対話の音楽のように聴こえてきました。
小菅氏はすばらしいピアニストで、カンタービレもキレイに弾いていましたが、
この曲ではベートーヴェンのソナタを弾いていない時のような
非凡さはあまり感じられませんでした。
(第1楽章冒頭の弦のユニゾンからピアノが駆け下りて変ロ長調に転調する所、
交響曲第36番K425の第4楽章の中間部の転調するところに似てますねw。)

2曲目のコダーイの二重奏、全曲をライブで聴くのははじめてでした。
これもヴァイオリンとチェロの対話の音楽になっているのは明らか。
太鼓や笛、民謡が響きわたり、それにあわせて踊る農民たちの様子、
草原を駆ける馬、雲雀のさえずり、遠くから吹いてくる風の音などが
音楽の中で立ち上がって聴こえてきます。
ちょうど5日前に東京で、バルトーク作曲の「戸外にて」を
チョ・ソンジンのピアノ独奏で聴いたばかりだったので、
なおさらそのように聴こえたのでしょうか・
いつもは遠慮気味の佐藤俊介氏ですが、さまざまな超絶技巧を駆使して
ヴァイオリンの可能性をよく弾きだしていたと思います。
チェロのグリーン氏も同様。なかなかよいバランスの演奏でした。

後半のフランクのピアノ五重奏曲もライブで聴くのははじめて。
この曲もピアノ五重奏という構成であるにも関わらず、
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ&弦楽トリオという響きがしました。
この音楽は、バン・ジョーンズにみられる「ラファエル前派」の絵画のように
象徴的で甘美で情念にあふれたものです。
聞いていて気恥ずかしくなる瞬間もありました。
燃え上がるような思いを表現することにかけては
小菅氏と庄司氏の面目躍如だったと思います。
圧巻の演奏でした。

昨夜の演奏を聴いて確信したのは
新ダヴィッド同盟が最良の演奏をしている状態は
5人がほどほどにまとまるよりも、
庄司氏と小菅氏は気分よくノっている時です。
2人のクイーンを3人のジャックが
担ぎあげているイメージでしょうかw。

明日は同じメンバーで
シューベルトのピアノトリオ第1番変ロ長調、
コダーイの二重奏曲(再演)、
ブラームスのピアノ五重奏曲ヘ短調
を聴きます。

PS
今回の演奏会は4回目であるにも関わらず、
水戸芸術館のプログラムやチラシには
第4回をいう記述がありません。
2012年には新ダヴィッド同盟第3回演奏会と記述されています。
(2013年は演奏会自体がありませんでした。)
なんか変?!ですよね。
書き忘れたのでしょうか。
私は、順番通りに
「新ダヴィッド同盟 4回目の演奏会」と表記しました。

■演奏会の評価(5点満点)
1|演奏内容の満足度:4.3
2|ホールのホスピタリティ:2.5
3|聴衆の態度・集中度:4.5
4|総合的な感銘度:4.5



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