ピカソ画「静物」にかくされた顔

2014.07.31.Thu.13:16
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先日、ひさしぶりに北浦和にある
埼玉県近代美術館へ行ってきました。
特別展「戦後日本住宅伝説~挑発する家・内省する家」を見るためです。
業務上、このような展覧会へ行って、勉強しなければ~と思っています。
この展覧会については後日、日記にしたいと思います。

特別展の後、常設展示をブラッと見ていた時、
たまたま高校生に学芸員さんが
ピカソの「静物」(1944年)について解説をしているところでした。
それがたいへんにおもしろかったのです。

学芸員さんは、高校生たちにいろいろ問いかけます。
「この画が描かれた1944年は世界がどういう状況でしたか?」
「この画の中には、何が描かれていますか?」
「これを描いたピカソは、そんな心境だったと思いますか?」
そして、
「顔のようなものが見えませんか?」

私は学芸員の問いに対して、
以下のようなことを心の中でつぶやきました。

1944年は第二次世界大戦中。
燭台、たて長のヤカン、デミカップ、カバ見、椅子の背もたれ、テーブルが
キュビズムっぽく描かれています。
鏡に映り込んでいる背景はモノトーンで暗い部屋。
おそらくここは牢屋のようなところ。
ヤン・ファン・エイクの『アルノルフィーニ夫妻像』のような鏡像効果の手法。
たぶん、ピカソは反体制者として投獄か軟禁されていて
牢屋のようなところで描かれたのだろう。
色彩的な静物と、鏡の映り込みが対比的な作品…

というところまで、私は解釈できました。


「顔のようなものが見えませんか?」は
ちょっと分かりませんでした。

まず画面右下、デミカップがピカソの顔になっている。
カップが目、指を掛けるところが鼻、赤いオレンジ色の楕円形は舌。
ピカソが、「あっかんべー」をしているという説があるそうです。
これは体制側によって囚われの身であることに対し、抗議の意思表示。

そして画面左のロウソクと燭台と緑の背景を
上下逆にすると、アンリ・マティスのよこ顔が浮かび上がる。
燭台の底部が目になっています。
マティスは白いあご髭を生やしていて、たばこ好きだった。
ロウソクがたばこ。白い光の輝きがあごひげ。
つまりくわえたばこのマティスになっています。
確かに似ている。
ピカソとマティスはとても仲良しだったそうです。
この画は、ピカソからマティスに贈られたそうです。
マティス夫人も、反体制運動をしていて囚われていたとか…。

そして、画面中央の赤いヤカンの頂部のつまみが
「&」マークになっている。

つまりこの画は、「静物画」であっても、
実は、「マティスとピカソ」と
言い換えることができるということです。
反体制運動をしている
ピカソとマティスの友情の証明ですね。

ああ、おもしろい。
絵画でも、彫刻でも、建築でも
作者は自分の署名のようなものを
人に分からないように
こっそりとする習性があります。
私もそうです~w。

学芸員さんの話しに感銘を受けたので、
美術館のショップで絵はがきを買って帰りました。

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