仙台フィル・ニューイヤーコンサート@いわき

2014.01.14.Tue.23:48


■仙台フィル・ニューイヤーコンサート2014
■2014年1月13日(月・祝)15時@いわき芸術文化交流館アリオス・大ホール
■指揮:山田和樹 ソプラノ:砂川涼子

♪レハール:ワルツ「金と銀」
♪プッチーニ:歌劇「ジャンニ・スキッキ」より“私のお父さん”
♪ベッリーニ:歌劇「ノルマ」より“清らかな女神”
♪モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」~序曲
♪モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」~愛の神様、手をさしのべて下さい
♪マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
♪プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」より“私の名前はミミ”
♪カッチーニ:アヴェ・マリア
 【休 憩】
♪ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 作品95 「新世界より」
 【アンコール】
♪リロイ・アンダーソン:ジャズ・ピチカート
♪ヨハン・シュトラウス2世:雷鳴と雷光

昨日、福島県のいわき芸術文化交流館アリオスで
仙台フィルのニューイヤーコンサート2014を聴いてきました。
福島県いわき市は、日立市のわが家から
高速を利用すれば1時間弱です。

アリオスははじめて訪れました。
3つのホールから成る複合施設です。
多目的利用のための大ホール、演劇用中劇場、音楽用小ホール。

公園に面した横長の敷地に、
3つのホールが分散するように配置されています。
今回、聴いたのは1700人収容の大ホールでした。
プロセニアムを持つシューボックス型の3層バルコニー形式。
一見したところ、
多目的ホールですが音響的な配慮されたと思われる反射板がついていて
かぎりなく音響に配慮した多目的ホールのように見えました。
私の席は3階中央の最前列でしたが、
意外にオーケストラの音はクリアでストレートによく響いていました。
ただ反射してくる音はあまり感じられなかったことと、
もう少し残響感があると良かったかなと思いましたが
ホールとしては合格だと思います。

私、仙台フィルの音を聴くのは19年ぶりぐらいです。
1992~95年、仙台に勤務していた時は
定期演奏会の会員でした。
転勤して初めて聴いた仙台フィルはちょっと荒削りでしたが、
バンベルク響や北ドイツ放送響のような
ドイツの地方オケ特有の渋い響きがあり、私はイイねと思ったものです。
ブラームスやシューマンのようなロマン派の演奏に向いている思っていました。
しかしながら、久々の仙台フィルの響きは、
全体的なトーンが明るめで華やか感じになっていて
どことなく都会的な雰囲気を感じました。
音楽監督やコンマスをはじめメンバーなどが変わったことなど
要因がいろいろあるとは思いますが、
東京の平均的なプロオケと似てきたような気がして
ちょっと面白味がやや薄れたように感じられました。

さて、このニューイヤーコンサートはツァーになっていて、
仙台からはじまって、盛岡、福島を経由し、いわきが楽日。
プログラムは前半が管弦楽の小品と声楽作品を交互に演奏するかたちで
後半がドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。
進行は、司会者がいて、演奏者とのトークを交えながらの演奏となりました。
なんとなくテレ朝の「題名のない音楽会」のような進行で、
演奏側も聴く側も、音楽の流れや集中度が途切れがちになってしまったことは残念。
もし聴き所などの生解説が必要なら、プレトークをすればよいと思います。

前半の主役は、ソプラノの砂川涼子氏。
ウィンナー・ワルツ、序曲、間奏曲をはさみながら
オペラの名アリアなど5曲が歌われました。
そういえば、演目はすべてイタリア語でしたね。
月並みの言い方ですが、
表情が豊かで叙情的な表現力に優れた歌手だと思いました。
ソプラノ・リリコ・レッジェーロ系なのでしょうか?
伝カッチーニのアヴェ・マリアがいちばん良かったです。
ただちょっと声量が大きくないことと
「ボエーム」のミミのアリアのように
高音の発声に無理があるように感じました。
彼女はオペラよりも歌曲系の方がフィットするように感じましたね。
砂川氏が歌うシューマンのドイツ歌曲を
機会があれば聴いてみたいです。

後半の「新世界交響曲」は、期待の若手指揮者の山田和樹。
鉄道オタクだった作曲者を意識したためか、
汽笛や車輪の動きのような描写音を強調する傾向で、
メロディ・ラインも丁寧に歌いこんだ演奏でした。
だから交響曲という構成感よりも、
交響詩的な流れを感じさせる演奏だと思いました。
私が好きなタイプの演奏ではなかったのですが、
ひさびさの「新世界交響曲」の生演奏をそれなりに楽しみました。

それと有名な第2楽章が
あっさり気味だったのは、意外にイイかも。
「遠き山に日が落ちて~」のメロディを濃くしすぎると、
つづく楽章へのアプローチを難しくしてしまいますからね。
ここでは、仙フィルは木管が奮闘していましたね。
第2楽章のコール・アングレとクラリネットのソリはなかなかキレイでした。
全体的にティンパニーは叩きすぎだと思いました。
もっと黒子に徹したほうが私はよいと思う。
トロンボーンが音を割るのも気になった。
残念なのはホルンの方々が、よく音は外していたこと。
ホルン奏者は、どのオケでも人材不足のようです。

山田和樹氏の指揮は、若々しく大振りでしたが、
誠実な音楽づくりができる方だと思われます。
小さくまとまるよりも
スケールが大きい指揮者になっていただきたいです。

以上、いろいろ書きましたが、
アリオスはなかなか気に入りました。
わが家から1時間以内で行ける
音楽を聴くためのまともなホールが
つくばのノバ・ホール、水戸芸術館、日立シビックセンターに
いわきのアリオスが加わったことで、
さらに充実した音楽鑑賞ライフを可能にする
施設面でのポテンシャルは高まりました。
それらのホールを使いこなす企画運営が今後の課題でしょうか。



蛇足ですが、プログラムにあった
カッチーニ作曲「アヴェ・マリア」という書き方、
絶対に変ですよね。
旧ソ連の音楽家ウラディーミル・ヴァヴィロフが
1970年ごろ作曲したという事実が世の中に定着してきました。
カッチーニという名前がひとり歩きしていることも理解できるので、
ヴァヴィロフ作曲「カッチーニ風アヴェ・マリア」
とでも書いたほうがよいと思います。



AUTHOR: ポテト姫
EMAIL: tayama@basil.ocn.ne.jp
URL:
IP: 61.199.1.48
DATE: 01/17/2014 18:22:34
 私も「カッチー二のアヴェ・マリア」のファンですが、やはり「アヴェ・マリア」の繰り返しのみの歌詞はどうなの? と、不思議に感じてました。そうか、本当の作曲家が判明していたんですね。(・o・;)

 この曲、既に「カッチー二のアヴェ・マリア」として定着してしまっているので、そういう曲名として、作曲者名を別に表示するのがいいのかもしれませんね。(^^;)
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