カルロス・クライバーのベト7(82年ライブ盤)

2014.01.07.Tue.12:38


11月にネットで注文していた
カルロス・クライバー&バイエルン国立歌劇場管(1982年5月3日ライヴ録音)の
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調のCDがやっと届きました(嬉)
品薄だったのか、届くまでに1ヶ月以上もかかりました。
2004年に亡くなったカルロス・クライバー、
私にとってはヒーロー的な指揮者でしたが、
お恥かしいことに、このCDの存在を知りませんでした。

さっそく聴いてみました。
生命感がみなぎる燃えるような演奏です。
カルロス・クライバーの魔術にかかってしまった。
力強さといい、スピード感といい、緻密なディテールといい申し分ありません。
それでいて、全体的に引き締まっていて構造的。
ミケランジェロのダヴィデ像を見ているかのようです。
クライバーの音楽は根源的なところから
生きる喜びのようなものを感じさせてくれます。
私にとっては理想的な演奏です。

第2楽章の葬送行進曲のタン・タタ・タン・タン、
第4楽章のフィナーレのタン・タタタッ、タン・タタタッ
これらの基本的なリズムが、積みあげられていくことで
巨大な構造物や大伽藍を構築していくように響きます。
(数日前にテレビで聴いたノリントン&N響の
軽薄なベト5とは真逆のものです。)

このライブ盤がデータが1982年5月3日であることを知って
「アッ!」と思う方も多いと思います。
20年以上前に発売されたあの名盤、
ベートーヴェンの交響曲第4番変ロ長調のCDと同じだからです。
この日、クライバーとバイエルン国立管弦楽団は
“カール・ベーム追悼”とアカデミー・コンサートを行いましたが、
ベト4が前半、ベト7が後半に演奏されたものだったのです。
2枚そろったことで、この日の演目が全部そろったわけです。

私が学生の時に買ったベト4の解説には
この日、4番と7番が演奏されたと記述されていましたが、
どうして7番が発売されないのか?と
当時、不思議に思っていましたが、
やっと念願がかなったわけです。

私は彼の生演奏を
1986年5月に2回聴くことができました。

♪5月9日@東京文化会館
ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
モーツァルト:交響曲第33番
プラームス:交響曲第2番
(アンコール)こうもり序曲&雷光と雷鳴

♪5月19日@昭和女子大人見記念講堂
ベートーヴェン:交響曲第4番
ベートーヴェン:交響曲第7番
(アンコール)こうもり序曲&雷光と雷鳴

(指揮)カルロス・クライバー
バイエルン国立歌劇場管弦楽団

この時の衝撃は忘れられません。
ちょうと1986年5月3日の2枚のライブ盤の演目は
2年後の伝説となった来日公演と同じものです。
演奏内容は、本質的には同じベクトル。
演奏会では私はずっとクライバーの指揮する姿を凝視していました。
美しい指揮だったなぁ~。

特に5月19日の演奏会は最終日だったので、
終演後、クライバー本人からサインをいただきました。
私の数少ないお宝のひとつでしょうか。
学生だったので、お金はありませんでしたが
無理して行ってよかったと思っています。



カルロス・クライバーは気難しい完全主義者だったためか
指揮する機会が多くなく、残されたCDや映像も限られています。
私は彼の正規盤のCDやLD・DVDはほぼすべて持っていますが、
それでも、その量はカラヤンの比じゃないくらい少ない。

ベートーヴェンの交響曲のCDだけでも
正規盤は4番、5番、6番、7番の4種類、5枚しかありません。
(6番「田園」はあまりイイ演奏とは思わなかった。)
7番はウィーンpoとのスタジオ録音(1975年)と
この1982年のライブ盤がありますが
後者の方が圧倒的にいいですね。
タラレバですが、
クライバーが指揮する3番と9番が聴いてみたかった。

私の場合、はじめて聴いた録音や演奏が
その曲のスタンダードになってしまう傾向があります。
はじめて聴いたベト4とベト7(旧盤)がクライバーのものだったので
その後、クレンペラー、ヨッフム、セル、ベーム、カラヤンなどいろいろなCDを聴きましたが
不幸にして、クライバー以上にイイなと思える演奏にまだ出会えていません。
(来週末、小澤征爾&水戸室内管弦楽団の定期演奏会で
ベト4をひさしぶりに生で聴けますが、どんな演奏になるか楽しみです。)

数年前に社会現象をおこした
クラシックのコミック「のだめカンタービレ」で、
主人公の千秋真一がベト7を指揮するシーンがありますが、
これは、クライバーの演奏のイメージじゃないかと私、邪推しています。
おそらく、原作者はクライバーのCDを聴いていたにちがいないと…(笑)




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