ある数学者の映画

2013.12.20.Fri.12:30
数ヶ月前、数学の難問「リーマン予想」についてのテレビ番組をみた時、
リーマン多様体の研究で大きな功績を残した
数学者ジョン・ナッシュの半生をえがいた映画、
『ビューティフル・マインド』(2001年アメリカ)のことが紹介されていました。
この映画では、数学者としての成功と統合失調症に苦しむ姿が描かれています。
ナッシュ博士は「ゲーム理論」に関して大きな功績を残したとして
ノーベル経済学賞を受賞しています。

ある書店に併設されているレンタルDVDコーナーに
この作品を見つけ、借りてきて昨夜みました。
あらすじは以下のような感じです。



プリンストン大学で学ぶジョン・ラッシュ(ラッセル・クロウ)は数学の天才。
彼の頭にあるのは「この世のすべてを支配する真理を見つけ出したい」という欲求のみ。
授業には足を運ばず、他の生徒とは一歩離れた一匹狼的な存在で、
人とのコミュニケーションが苦手。
しかし、ついに画期的な“ゲーム理論”をつくりだす。
そして希望するMITのウィーラー研究所に採用された。
研究を続けていたある日、後の妻であるアリシア(ジェニファー・コネリー)と出会い、
次第に彼女に心を開いていった。
また一方では政府の役人(エド・ハリス)から
対ソ連の軍事的暗号解読の任務を秘密裏に依頼される。
米ソ冷戦下、彼の類い希な頭脳が暗号解読という極秘任務に利用され、
彼の精神は次第に大きなプレッシャーに追いつめられ
次第に日常に変化が訪れていく・・・。
(このつづきは、DVDをご覧になってください。)



この映画は、ナッシュ博士の奇人ぶりと
統合失調症に罹ったナッシュ博士と献身的な妻の家族愛、
そして困難をしてノーベル賞を受賞し、妻に感謝するという
いかにもアメリカ的なハッピーエンドでした。
ちなみに、第74回アカデミー賞作品賞他4部門を受賞。
【Wikipedia】によると、ナッシュ博士の実像と映画の内容は
かなりちがっているようですね。

私は数学的な興味でこの映画を見たので、
映画そのものの物語にはガッカリでした。
しかし、映画の編集と脚本と演出という点では、おもしろかった。

統合失調症になったナッシュ博士の
現実と幻覚の区別がつかなくなっていくさまを
映画を見ている私たちも共有できるような編集になっています。
そういう点では、恐怖映画的なドキドキ感がありました。
いちばんのツボは、この現実と虚構のクロスオーバー感でしょうか。

それと過去に使われた台詞が、
現在になって再び効果的に使われという脚本のおもしろさ。
この過去と現在のリフレインは、
ナッシュ博士の現実と虚構の往来と重なってきます。
ロン・ハワード監督の過剰すぎないけれど
自然な演出も悪くなかったです。
夫の病気に対する妻の「思い込み」が
ある種の幻覚を呼び起こす演出は巧みでした。

私が学生のころみた
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』で
「アマポーラ」の名曲でバレエを踊る
可憐な少女を演じていたジェニファー・コネリーが、
この映画ではナッシュ博士の妻役で出演。
アイドル女優からオバサン女優になったものだ~と嘆きながらも、
演技派として開眼した様子が見て取れました。
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