宮田大チェロ・リサイタル@水戸・佐川文庫

2013.11.17.Sun.11:07
■宮田大 チェロ・リサイタル
■2013年11月16日(土)18時~@水戸・佐川文庫
■宮田大(チェロ)、ジュリアン・ジュルネ(ピアノ)

♪ガスパール・カサド:愛の言葉
♪黛敏郎:文楽
♪ブラームス:チェロ・ソナタ第1番 ホ短調 Op. 38
  【休 憩】
♪フランク :ヴァイオリン・ソナタ イ長調 M. 8 (チェロとピアノ編)
  【アンコール】
♪ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(チェロとピアノ編)
♪ファリャ:スペイン民謡組曲から(チェロとピアノ編)
♪久石譲:映画『もののけ姫』から

昨夜は水戸市の佐川文庫で
宮田大氏のチェロ・リサイタルでした。
会場は超満員。
駐車場が満杯に近く、ギリギリに来場した私はびっくり。
これほどの来場者数は、牛田智大くんのピアノリサイタル以来でしょうか。
遠方から、若きイケメンのチェリストのファンが殺到したようです。

宮田氏は日本の楽壇の星のひとり。
私は彼の独奏を聴くのは2回目。
2012年1月に水戸室内管弦楽団の定期演奏会の時、
彼はハイドンのチェロ協奏曲を演奏しました。

悪い演奏ではなかったのですが、
昨夜の演奏の印象は、昨年と同様
彼が昇る階段はまだまだあるなぁ~という感じでした。
チェロの職人という意味では及第点でしょうが、
芸術家という点ではもの足りない。
集中度は高いもの演奏ですが、
音楽への没入感、彼にしかできないような何か
が感じられなかった。

それと、宮田氏の場合、欠点が少ないことが、
逆にそれが彼のデメリットになっているような気がしました。
コンクールで賞を取ることと、人を感動させる音楽は全然、ちがう。

今秋、私はルプーやファウストや内田光子各氏のリサイタルを聴いたばかり。
彼らの音像がまだ頭に残っています。
またこの日記を書きながら、FMラジオからは、
ジャネット・ムヴーの炎のようなブラームスのヴァイオリン協奏曲が流れてきます。
彼らと宮田氏の演奏と比較して申し訳ないのですが…。



演奏についての寸評は以下の通り。

カサドの「愛の言葉」は、スペインのメロディが心地よく
リサイタルの冒頭をかざるアペリティフとしてはよい選曲です。
このような小品の演奏は、アンコールの3曲と同様で
宮田氏は上手いと思います。

黛敏郎の「文楽」も、
日本の古典音楽の勉強した後が感じられた佳演。
打楽器のように弦を叩くことで三味線の響きを出したり、
重音で義太夫の語り表現したり。
なかなか演劇的な音楽。
この音楽は日本の現代音楽の傑作だと思います。
宮田氏のテクニックは、
この難曲を十分に弾きこなしていたと思います。
20年ぐらい前に聴いた堤剛氏の演奏が豪放磊落とするなら
昨夜の宮田氏の演奏は精緻で繊細なものだったと思います。

ブラームスのチェロ・ソナタ第1番はちょっと硬い感じ。
若きブラームスの迷いや悩みなど、
作曲者の心情を投影するには十分な感じがしなかった。
第3楽章のフーガのところは、
バッハやベートーヴェンの5番のソナタなど
研究の後は感じられましたが…。

チェロ独奏用に編曲されたフランクのヴァイオリン・ソナタは
チェロで弾く説得力があまり感じられませんでした。
おもしろいとは思いましたが、
あまりイイネ!とは思えませんでした。
チェロよりもむしろピアノの音が立ってしまっていましたね。

シューベルトの男声独奏用に作曲された「冬の旅」を
近年、女性歌手が歌うことが増えてきました。
性を踏み越えて演奏する必然性を演奏で証明する必要があります。
だから至芸の歌手にしか、それはできません。
それと同様、ヴァイオリンの音楽をチェロで弾く理由を
もっと演奏で感じさせてほしいと思いました。

ただ宮田氏は、
チェロの逸材であることは確かなので、
今後の精進を期待しています。

リサイタル後、
コーヒーのサービスやサイン会があったようですが、
私、サッカー日本代表とオランダ代表の試合を
テレビ観戦したかったので、早々に会場を後にしました。
鹿島アントラーズから日本代表に選出された
大迫勇也選手のゴールとアシストには感動しました(^_^)v

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