ヌヴーとムローヴァが弾くブラームスのVn協奏曲

2013.06.22.Sat.11:39


非常に偏った考えかもしれませんが
好きなものを「ひとつ」あるいは「5つ」挙げるのは容易ですが、
「3つ」選ぶのは難しいと私は考えています。
なぜなら
「ひとつ」の場合は、唯一のものを選べばよいし、
「5つ」の場合は、なんとなく思いつくものを羅列してしまう。
「3つ」選ぶとなると、その選び方に意味がないとおもしろくない。

先日、友人のK氏と
「好きなヴァイオリン協奏曲を3つ挙げる」という議論をしました。
K氏があげたのは「チャイコフスキー、メンデルスゾーン、シベリウス」。
理由はメロディが美しいからだそうです。
その理由は理解できます。
私が挙げたのは「ベートーヴェン、ブラームス、アルバン・ベルク」。
いちおうドイツの「B系」の作曲家ですw。
古典、ロマン派、近代を代表する作品の中から選びました。
それとこれらの作品は、音楽的な高揚感というだけでなく
魂を燃焼させるような魅力がありますね。

その後、帰宅してから手元にあった
ブラームスのヴァイオリン協奏曲のCDを引っ張り出して聴いてみました。
この曲には名盤と呼ばれるものがたくさんありますが、
やはり私が好きなものを3つ挙げるなら
ヌヴー、ムローヴァ、オイストラフ(セル盤)でしょうか。
炎のようなヌヴー、中庸なオイストラフ、氷のようなムローヴァ。

ジネット・ヌヴーは1949年に飛行機事故で亡くなってしまいました。
このCDはその1年前のハンブルグのライブのモノラル録音。
ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮、北ドイツ放送響との共演。
音質は良いとは言えませんが、
ヌヴーの魂の燃焼と言ってもようようなテンションが高い畢生の名演。
大胆なフレージングとテンポ、ディテールの細やかさ、昔から大好きです。

一方で
ヴィクトリア・ムローヴァの演奏も1992年の東京ライブ(@サントリーH)。
クラウディオ・アバド指揮とベルリン・フィルとの共演。
ムローヴァの演奏もライブ盤ならでは気迫が感じられ、
鋭利な刃物で空間を切り裂くような緊張感に満ちています。
ヌヴーと違うのはオーケストラに身を委ねるような感じでしょうか。

私見ですが、この2つの演奏は
ブラームスのヴァイオリン協奏曲の演奏の中では
「炎と氷」のような対極的な位置づけだと感じています。

それにしてもヌヴーが30歳という若さで
不慮の事故に遭って亡くなってしまったのは残念です。
1919年生まれですから、もし存命だったら今年で94歳。
タラレバですが、バブル前だったら
ヌヴー60代の実演を聴けたかもしれません。

実演に接することができなかった
音楽家ってたくさんいます。
もし私の願いが叶うなら、
以下の演奏家を聴いてみたい。

ピアニスト3人だったら、
ミケランジェリ、リパッティ、ハスキル。
ミケランジェリの高次元倍音を聴いてみたかった。
リパッティとハスキル、そしてルプーの3人は
なぜかルーマニア出身というのがおもしろい。

ヴァイオリニスト3人だったら、
ヌヴー、ハイフェッツ、オイストラフ。
情熱、技術、精神という3極化した中での
代表プレイヤーという感じでしょうか。

指揮者3人だったら、
ベルリン・フィルを振るフルトヴェングラー、
クリーブランド管を振るセル、
ロンドン響かミュンヘン・フィルを振るチェリビダッケ。
この3人は理由が付けられません(苦笑)
ただ好きなだけです。
チェリは学生のころ、何度も聴くチャンスがあったのに、
どーして聴かなかったのか?
非常に後悔してます。

だから今、なんとか生きている
チッコリーニやフライシャーは聴いておきたい。




スポンサーサイト
コメント

管理者にだけ表示を許可する