韓流ドラマ『ベートーベン・ウィルス』

2013.04.10.Wed.12:02
クラシック音楽好きで、かつ熱心な韓流ファンの仙台の知り合いの勧めで
韓流ドラマ『ベートーベン・ウィルス』を見てみました。
幸い、近所のレンタルDVD屋においてあったのですが、
全18話(DVD9枚分)を時間の隙間に少しづつ見ていったので
1ヶ月もかかってしまいました。

このドラマは、
日本でも一世風靡した
クラシック音楽のコミック『のだめカンタービレ』の
韓国版なのかなと思っていましたが、
なかなか真面目に作ってあるドラマで
これを作った原作者は
クラシック音楽についてよく勉強していることが感じられました。

度々出てくる音楽用語や音楽家の名前も
にわかファンでは分からないようなマニアックなものだったし…。
ジョン・ケージの「4分33秒」がドラマ中で演奏(?)された時は驚きました。
ただ、ヒロインのバイオリン奏者が急に耳が聞こえなくなったり、
オーケストラの野外演奏会中に、道路工事で演奏で妨害されたり、
普通はなかなかありえない急展開が起こって、
ちょっと当惑しましたが(苦笑)

いちばん印象的だったのは
強烈な個性を持つ主人公のひとり、
指揮者カン・マエの人物像です。
音楽に関しては一切の妥協を許さない音楽家。
最高の音を出すためにはどんなことでもする。
『のだめ』の千秋真一よりも全然、恐いかも。

気に入らない演奏だったりすると
大統領の前でのオーケストラ公演を
演奏途中で中止したことすらありました。
彼は傲慢で孤独な男です。
しかも人の心を傷つけるような言葉を
平気で言う毒舌の持ち主。
そんな彼も、だんだんと
変わっていくのですけどね。

このドラマは『ベートーベン・ウィルス』という不思議なタイトルですが、
この指揮者カン・マエは作曲家ベートーベンの悪い性格に似てしまったので
そんなタイトルが付いたのかな~当初は考えていました。
ちなみにベートーヴェンの性格はいろいろ言い伝わっていますが
頑固、傲慢、癇癪持ち、気難しい、神経質、人づきあいが不器用、無礼~
であったことは確かのようです。
ゲーテもこう言っているようです。
「その才能には驚くほかないが、残念なことに傍若無人な人柄だ」と。

しかしながら、ドラマ中で指揮をする姿や言動を最後まで見ていったら
私が好きな指揮者セルジュ・チェリビダッケをモデルにしたような気がしてきました。
生前は録音嫌いで、ライブでしか聴けなかったので「幻の指揮者」と言われていました。
「音楽は『無』であって言葉で語ることはできない。ただ『体験』のみだ」
という言葉を残しています。

リハーサルにも大変に時間をかけ、普通の3倍。
かなり厳しかったようです。
そして相当な毒舌で変人であることが知られています。
しかし音楽だけは超一級。

80年代はじめごろ、私がまだ高校生だったころ、
ロンドン響の来日公演を指揮したチェリビダッケの演奏を
FMのライブ中継で聴いて、そのすばらしさに
大ショックを受けたことがあります。
「展覧会の絵」やドビュッシーの「映像」などが演奏されました。
今までに聴いてきた音楽とは別モノの次元。
私は、彼の没後に発売された
放送録音がCD化されたものを愛聴してます。

『ベートーベン・ウィルス』を見終わって
カン・マエの人物像や音楽性が
(ベートーヴェン+チェリビダッケ)÷2、というのが
率直な感想でしょうか。

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