レコード・アカデミー賞50年

2013.03.20.Wed.12:13
 

『創設50周年記念 レコード・アカデミー賞のすべて』(音楽之友社)
という本をネットで買いました。
注文して20時間後に到着。
早いですね。

クラシック音楽専門誌『レコード芸術』(通称レコ芸)に寄稿している
音楽評論家たちが討議の上、その年の代表的な音盤を選出して賞を与えるのが
「レコード・アカデミー賞」です。
50周年を記念して、その歴史が一冊の本にまとめられました。

私はレコ芸を81年、ちょうど高一のころから読み始めました。
レコード・アカデミー賞の受賞盤に関しては、
納得するもの、オブジェクションを感じるもの、いろいろでした(笑)
それでも、この本で日本のクラシックの音盤史やその変遷がわかって
なかなかおもしろいです。

私は各年の受賞盤をみながら、
赤や青のシールを貼って楽しんでいます。
赤は、レコードかCDで所有しているもの。
青は、聴いたことがあるもの。

たとえば
1968年(昭和43年)の受賞盤で赤いシールを貼ったのは、
大賞が、シェリングが演奏したバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ。
各賞が、ミンシュの幻想交響曲、スメタナSQのベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番、
ディスカウとシュヴァルツコップが歌うヴォルフのイタリア歌曲集、
ショルティ&ウィーン・フィルの「ニーベルングの指環」全曲。
私が4歳のころに出たものだとはじめて気付きました(笑)

この本を読んでいると、懐かしい音盤がたくさん出てきますね。
中学生の時、ブーレーズが指揮した「春の祭典」を友人の家で聴かせてもらって
ひどくショックを受け、親にねだってレコードを買ってもらったことがあります。
これは昭和45年の受賞盤でした。
個人的には懐かしい音盤のひとつです。

意外なのは、
カルロス・クライバーやジョージ・セル、オットー・クレンペラーが
受賞していないことでしょうか。
これはオブジェクション要素です。
私はクライバーのベートーヴェンの交響曲、セルのハイドンの交響曲、
クレンペラーのブラームスの交響曲は名盤だと思っています。
コラムには、「際立って個性的なものは受賞しにくい傾向にあるようだ」
と書かれていますけどね。
こういう賞の功罪はいろいろとあるとは思いますが、
結局は自分の耳に合う音盤がいちばんということだと思います。

おもしろいコラムは
「カラヤンVSバーンスタイン」というコラムでした。
二人の巨匠はカラヤン14回、バーンスタイン9回(内大賞4回)と
際立って受賞が多い指揮者ですが、
その内容が対照的です。

カラヤンは、7回がオペラ。
なぜかベートーヴェンやブラームスといったドイツ音楽の本流の受賞がない。
一方、アメリカ出身のバーンスタインは70年代後半から
ベートーヴェンやブラームスの交響曲全集、マーラーの9番、トリスタンとイゾルデ
といった歴史的な名盤で受賞したこと。
これは、二人の優劣というのではなく、
それぞれの個性がよく出ているような気がします。

また「ベスト・オブ・レコード・アカデミー賞」を選出するという座談会があります。
この中に、私に知人の矢澤孝樹氏(元水戸芸術館学芸員)も参加しています。
わずか6ページの中で、50年の中のベスト盤を選ぶというのは至難だと思いますが、
3人の音楽評論家が議論の末にベスト・オブ・ベストとして
ブリテン作曲・指揮の戦争レクイエム、
グールドのゴールドベルク変奏曲(新盤)を選んでいます。
わずか6ページで、
本紙に書ききれなかった内容は多々あるでしょうね。
私、矢澤氏をよく知っているので、
行間から、書かれていない彼のいろいろな言葉が聞こえてきそうです。

実は数年前に、
水戸室内管弦楽団の定期演奏会のプログラム内に特別企画として、
水戸芸在職時の矢澤氏の司会で、
U夫妻と私の座談会をしたことがあります。
2時間あまりの対談でしたが、
それでもかなりの情報量だったと思います。
決められたページ数に圧縮してまとめるのは
たいへんだったと思います。
対談中、私の不規則発言や
テレビだったら「ピー」と鳴ってしまうような発言で
スタッフの方々にたいへんご迷惑をかけたのではないか
と思っています(笑)

この本を読みながら、
いろいろな懐かしい思い出が
思い起こされました。
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