オレ流・音楽会をおもしろくする法

2010.11.30.Tue.00:06
11月27日の夜、水戸芸術館で
「第21回・茨城の名手・名歌手たち」
という音楽会がありました。

これは茨城県に関わりのある音楽家を紹介するというもの。
出演者はオーディションによって決定します。
昨年は声楽と管楽器の演奏家によるものでしたが、
今年はピアノとヴァイオリンの年です。
この音楽会から巣立った多くの音楽家が、
国内外のコンクールで入賞したりしているようです。

出演する方々は
音楽の専門教育を受けてきた方がほとんどなので、
演奏そのものは、ある一定の水準に到達していたと思います。

しかし演目は、
演奏家が選んだ思い思いの楽曲が
バラバラに演奏されてしまうので、
全体としてのプログラムのまとまり感は、
欠けているのは仕方がないかもしれません。

私はなんとかおもしろく聴けないものかと、
演奏会前からいろいろと
アイデアを駆け巡らせていました。
ちなみにプログラムは以下の通り。

■小澤叶惠(ピアノ)桐朋学園大学音楽学部1年在学中
ラフマニノフ:絵画的練習曲集より 作品33の2、作品39の6
スクリャービン:幻想曲ロ短調 作品28

■須田茉莉(ピアノ)早大大学院博士課程3年在学中
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第2番 嬰ト短調「幻想ソナタ」 作品19

■藤原百子(ピアノ)東京音大大学院修了
ラフマニノフ:楽興の時 作品16より 第1、4曲
ラヴェル:水の戯れ

■澤田尚美(ピアノ)東京音大大学院修了
シューマン:ピアノ・ソナタ第3番へ短調 作品14より 第1、4楽章

■石原麻衣(パイプオルガン)活水高校オルガン専攻3年・神栖市出身。
リスト:バッハの名による前奏曲とフーガ

■石坂淑恵(ヴァイオリン) 水戸三高音楽科卒
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 作品19より 第1楽章

■茂木立真紀(ヴァイオリン)ドイツ・シュトゥットガルト国立芸術大学大学院卒
J.S. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調BWV1004より "シャコンヌ"

■掛札佳奈(ピアノ)東京音大大学院修了
シューマン:謝肉祭 作品9より

■忠 紗友里(ピアノ)桐朋学園芸術短期大学卒
デュティユー:ピアノ・ソナタより 第3楽章

プログラムを見ながら気がついたことが数点ありました。
・モスクワ音楽院のライバル同士だったスクリャービンとラフマニノフの曲が並んでいる。
・私が好きなシューマンの大曲が演奏される。
 そして私があまり好きではないショパンの曲が演奏されない嬉しさ(笑)
・「水」をイメージした一連の音楽が演奏されそうだ。
・バッハの音楽と、リストによるバッハのオマージュ的な作品の対比が面白そうだ。
・ラヴェル→デュティユーというフランスの20世紀音楽の流れが感じられる。
・スクリャービン、リストの音楽から、
 調性から逸脱しはじめた現代音楽の萌芽が感じられそうだ。

私は演奏会冒頭の、
世紀末ロシアが生んだ二人の作曲家、
スクリャービンとラフマニノフの対比がおもしろかったですね。
3人の方が、彼らの作品を演奏しました。
神秘思想の音楽化をめざすスクリャービンは
古典的な音楽形式を無視し、
独特の病的で先駆的な響きがおもしろい。
一方、
ロシア革命後にアメリカへ亡命し、
ピアニストとして活躍するラフマニノフは
ロシア・ロマン主義を受け継いで、
古典的な様式を重視しています。
やはり生の音を聴くと、
このような差異がよく実感できますね。

それとおもしろかったのは、続けて演奏された
スクリャービンのピアノ・ソナタ第2番、
ラフマニノフの楽興の時 作品16より 第1、4曲
ラヴェルの「水の戯れ」です。

スクリャービンの2番のソナタからは、
海の凪の様子と海の嵐の様子が音楽から感じられました。
ラフマニノフの「楽興の時」第1からは静かな湖面、
第4からは滝が流れ落ちるような激しさ
がイメージでしました。
ラヴェルの「水の戯れ」は、
ドビュッシーとは異なる感性で
水の動きやゆらぎを表現されていました。

水という不思議な物質は、絵画、詩、音楽、建築など、
いろいろなジャンルで表現される対象になっています。、
特に音楽の場合、それを実感するのは、
実演より優るものはありません。

それとシューマンの2つのピアノ曲は、
とてもオーケストラ的な響きがしましたね。
シューマンのオーケストレーションはイマイチなのに、
ピアノ曲からオーケストラの響きが感じられるのは不思議です。
やはり彼は根っからのピアニストなのかも~。
やはり生演奏は、ウチで聴くCDでは
なかなか感じられない音圧や臨場感があります。
CDから聴こえない音も感じられた。
音響的に優れたホールで、
ガンガンとなるピアノと対峙するのは貴重な機会です。

以上のようなことをいろいろと実感しながら聴けたので、
たいへんにおもしろい演奏会だと思いました。

一般的に、演奏会のプログラムは、
演奏者がなんらかのコンセプトを考えて組み立てられるものです。
しかし、今回のような雑多な内容のプログラムの場合、
聴く側がなんらかの目的や意識を持ってのぞめば、
音楽のおもしろさを発見できると思いました。




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