ホロヴィッツ版「展覧会の絵」を弾く高校生・高木竜馬くん

2010.01.31.Sun.19:11
土曜の夜はピアノ・リサイタルを聴いてきました。
佐川文庫の「若手ピアニストシリーズ」で
高校生の高木竜馬くんの演奏です。

■高木竜馬・ピアノリサイタル
■2010年1 月30 日(土)18:00@佐川文庫
♪S.プロコフィエフ:「10の小曲集」作品12より第7曲 前奏曲 ハ長調
♪M.ムソルグスキー/ホロヴィッツ編曲:組曲「展覧会の絵」 版
 【休 憩】
♪S.ラフマニノフ/江口玲編曲:「パガニーニの主題による狂詩曲」作品43より 第18変奏曲
♪I.ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3楽章
♪F.ショパン:ポロネーズ「英雄」変イ長調 作品53
 【アンコール】
♪:F.ショパン:幻想即興曲
♪:S.ラフマニノフ:前奏曲嬰ハ短調「鐘」
♪:F.ショパン:トロイメライ

佐川文庫さんの若手シリーズは
ピアニスト中村紘子氏の推薦で選ばれた俊英ばかり。
なかなかおもしろいピアニストが多く、いつも楽しみです。

今回の高木竜馬くんは1992年生まれというから、
まだ高校生ということになりますね。
第6回ホロヴィッツピアノコンクール14歳以下の部で第1位など、
経歴もなかなか華やかです。
しかも演目は、「展覧会の絵」「ペトルーシュカ」という大曲をふくむ
ロシア・ピアニズムの巨人たちの作品を集めたという意欲的なもの。

彼はすべてを堂々と弾きこなしました。
なかなかたいしたものです。
感服しました。
彼がヴィルトゥオーソ(超絶技巧と卓越した演奏能力の持ち主)であることは、
ちょっと聴いただけで分かりました。
今日のようなプログラムが組めるといことは「筋肉系」なのかな?
ピアノを弾くことが楽しくて、愉快でしょうがないという印象です。
将来的には、世に出ることはまちがいないと思います。

ピアノではヴィルトゥオーソの代名詞はホロヴィッツでしょう。
実は私はあまりホロヴィッツは好きなタイプではありません。
どちらかというと、音楽的な深みや卓越した解釈をたのみとする
ケンプやゼルキンの方が好きです。
しかし、元気な高校生のピチピチしたヴィルトゥオーソぶりは
なかなかたのもしい、すがすがしい気持ちで聴けました。

ロシアの神童といわれたエフゲニー・キーシンも
若い時は超絶技巧を駆使した音楽が得意でしたが、
最近は、内面的・瞑想的な演目に意欲的にとりくみ、
新境地を開拓しています。
高木くんの音楽がどう変わっていくかを
長い目でみていくのも、
クラシック音楽を聴く
楽しみのひとつですね。

演目の中で
ムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」が
私はもっとも印象的でしたね。
当初は作曲者ムソルグスキー自身の「原典版」の予定でしたが、
10日ほど前に運良く「ホロヴィッツ編曲版」の
楽譜が入手できたそうです。

ムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」は、
管弦楽版のラヴェルの編曲が有名です。
この音楽はほとんどラヴェルの音楽といえるくらい、
彼独特の「音の魔術」で、
原曲を越えた鮮やかな色彩な響きになっています。

このホロヴィッツ編曲版に関して、
ピアノストの青柳いずみこ氏の著作にあった
おもしろい話を思い出しました。

ホロヴィッツが勝手にムソルグスキーの原典版を
編曲して演奏したことを音楽評論家に批判されたことに対して、
「ラヴェルはオーケストラに編曲した。私はピアノに編曲した。」
と語ったそうです。
原曲の不備や欠点を修正して、
さらにいい音楽として蘇らせたと言いたいのでしょう(笑)

ホロヴィッツの編曲は明らかに音が増えていて、
音色がさらに色彩的で豊かになっていますが、
尾ひれ羽ひれが増えている感じもします。
原典から編曲したというよりも、
ラヴェルの管弦楽版をピアノへ編曲したと言ったほうが
ふさわしいような気がします。

一方でアクロバティックな超絶技巧と、
強靭な指にガンガンと弾きまくることで
ピアニスティックな効果を増幅している感じもするので、
アンチ・ホロヴィッツ派はこのようなところを指摘するのでしょう。

しかしピアノ曲としてのホロヴィッツ版は
なかなか魅力的であることは確かだし、
これを弾きこなせるピアニストは
そう多くはないでしょうね。
高木君がこの版に挑戦した勇気は
なかなかのものでした。

you_tubeに「展覧会の絵」のホロヴィッツ版の演奏がありました。
「キエフの大門」の箇所を貼ります。

http://www.youtube.com/watch?v=gGGMERFPgR0
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