映画『LION/ライオン~25年目のただいま』

2017.05.28.Sun.23:59
数週間前、映画好きのマイミクさんが
映画『LION/ライオン~25年目のただいま』の感想をお書きになっていました。
ネットでこの映画の予告編をみて
私は3度外遊したことがあるインドが懐かしくなり、
この映画をつくば市のシネコンで見てきました。

これは予告編の動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=P9_HDMoK338



大まかなあらすじは以下の通り。
主人公はインドの片田舎に住むサルー少年5歳。
彼が誤って乗ってしまった回送列車によって、
遠く離れた大都会コルカタへ運ばれてしまった。
危険に身を晒しながら街をさまよううちに、
身元不明の孤児として施設へ送られてしまった。
運良くオーストラリアに住む夫婦の養子となる。
成長した彼は大学に通い、恋人も出来、何の不自由なく暮らしていた。
あるパーティで生き別れたインドの家族の話をした時、
「Google earthで故郷を探せるのではないか?」という友人の言葉に、
かすかな記憶をたよりに、故郷さがしに没頭していく。
そして、生き別れた母と25年ぶりに奇跡的な再会を果たした。

たしかにサルーの自分さがしの旅は感動的でしたが、
私が最も共感できたのは
「産みの親」と「育ての親」の無償の愛情でした。

いなくなったわが子の帰還を25年も待つ産みの母。
自分の子どもをつくらず、
父母のいない子どもの養父母になるという覚悟をもった育ての母、
そしてサルーがインドへ戻ることを許す。

はなれ離れになっても、
親子である宿命は変わらないことを
実感させてくれる映画でした。

私とインドの出会いは私が6歳の時。
茨城からはるばる家族で行った大阪万博で
たまたま入ったインド・パビリオンでした。
白い虎に睨まれて、インドを洗脳されてしまったようですw。
これまでいろいろな国を外遊しましたが、
インドはなぜか「心のふるさと」のようにフィットしました。
1ヶ月以上滞在しても苦になりませんw。

下の写真は2004年のインド外遊時に撮ったもの。
コルカタ(旧名カルカッタ)の公園でみた
人を包みこむような樹。
02260001.jpg

ジョードプールで出会った子供たち。
ちょうどホーリーのお祭りの時でした。
みんないい表情。
03070001.jpg
スポンサーサイト

映画『シン・ゴジラ』をみてきた!

2016.08.02.Tue.22:44
「ゴジラ世代」「ウルトラ世代」に属する私、
12年ぶりに製作されたゴジラ映画をはやく見たかったのですが、
週末に連日の出張が入ってしまい、やっと月曜の夜に見てきました。
運良くファースト・デイだったので1,100円で入場。

この新作ゴジラ映画の総監督がSFアニメ『エヴァンゲリオン』の庵野秀明、
ゴジラそのものがはじめてフルCGで作られた特撮ということだったので、
かなりテイストが異なる映画になる予感がありましたが、
まさにいままでにない新しい様式感とテンポ感に仕上がっていました。
しかも、ゴジラは映画の中で変態と進化を繰り返し、
その姿を4度も変えるという新解釈もありました。
ゴジラのCG映像もよく出来ていました。

感想をひところで言うなら
311大震災の残像を思い出させる映画だったということです。
ゴジラは大震源であり、かつ動く炉心として描かれていたし、
ゴジラが歩んだ跡は、津波に襲われて壊滅した街の姿そのもののように見せていた。
政府のゴジラの初期対応はお粗末で、311当時の内閣を思い出したり…。
この映画では、わが国に有事が起こった時、
今の日本は国民の生命や財産をほんとうに守れますか?
というメッセージが付いていたように感じました。

細かいところで思ったことは、
①ゴジラを漢字で書くと“呉爾羅”であることを、はじめて知った。
②厚化粧の女性防衛大臣は、日曜に当選した新都知事のようだった。
③米国大統領特使を演じた石原さとみは明らかにミスキャスト。
 その他の性格系俳優陣は、まあまあ自分の持ち味を出していた。
④全体的に役者のセリフの読みが早く、堅い用語が多かった。

わが家には高さ36㎝の
やや大きめのゴジラのフィギュアがあります。
これを使って、ゴジラのイメージ画像をつくってみました。
ゴジラの尻尾を左手で持って、右手にデジカメ。
シーリングライトに向かって撮ったゴジラの姿を
ちょっと画像処理したものです。
背景は薄鼠色にペーストしました。

IMG_3070b.jpg

「シン・ゴジラ」見たい!

2016.05.20.Fri.19:10
来夏、新しいゴジラ映画が公開されるようです。
こういう映画は劇場で楽しみたいですね。

「シン・ゴジラ」のシンとは、
新、真、神などの意味であるとwikiには書いてありましたが、
私は「震」のニュアンスも含まれているように思えます。
予告編にあった破壊された街が
石巻や女川などで見てきた東日本大震災の被害地の姿と
どうしてもかぶって見えてくるからです。

ちなみにわが家のゴジラは元気です。
私が社会人になった時に買った高さ36センチのゴジラ。
私が唯一、持っているフィギュアです。
これは数年前に撮った
私の大事なCDラックを破壊しようとするゴジラです。

7886422_2088055088_129largegzl.jpg



初代ゴジラは1954年生まれ。
その10年後に生まれた私はゴジラ第二世代あたりでしょうか。

1954年に「ゴジラ」が公開された時、
戦後の焼け野原になった街の風景を思い起こさせたり、
ビキニ環礁の核実験による第五福竜丸の被爆が社会問題になったり、
ゴジラを葬るために殉死する科学者の自己犠牲の精神がみられたり、
戦後の社会状況と日本人の琴線に触れるドラマ仕立てになっていた
と私は思います。

1984年ごろ、ゴジラのリメーク版がつくられた時は大学生でした。、
当時、できたばかりの有楽町マリオンへ見に行きました。
昔のゴジラでは同じ場所にあった日劇を破壊するシーンがありましたが、
その映画では有楽町マリオンを破壊していましたね。
「シン・ゴジラ」で狙われるのは森タワーかスカイツリーあたりでしょうか?
ゴジラは世相が反映されるので、
そのあたりも映画でどう描かれるのか楽しみです。

https://www.youtube.com/watch?v=ysRIwlEBjuw


ルパン三世とバッハ

2016.04.04.Mon.12:52
今朝、FMでクラシック番組を聴いていたら、ある発見をしました。
流れてきた音楽は、ヨハン・セバスチャン・バッハ作曲のオルガン曲で、

「パストラーレ ヘ長調 BWV590」。

あまり聞き慣れない曲です。
パストラーレという名前なので、
ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」を想像してしまいますが、
音楽的な内容は厳かさなものです。

私、朝刊を読みながら、なにげなく聴いていました。
曲の途中、どこかで聴いたことがあるようなメロディに気が付きました。

これは紛れもなく映画「ルパン三世 カリオストロの城」における
カリオストロ伯爵とクラリスの婚礼前に流れていた音楽じゃないかと思いました。
私、この映画を何度も見たのでまちがいないと思います。

さっそくyou_tubeで確認しました。
カール・リヒターが演奏している動画の4分38秒ぐらいから
その箇所は始まります。

ルパン三世の音楽といえば、大野雄二氏が作曲した
ジャズっぽいテーマソングが印象的ですが、
まさか「カリオストロの城」でバッハが使われてことに気づくまで
およそ35年ぐらいかかってしまいましたw。

ちなみに「パストラーレ」という言葉は
バッハの時代は「キリストの生誕を祝う音楽」という意味だったそうです。

下の動画をみて思ったのですが、
一般的には聴衆に向かってオルガン奏者は背中を向けて演奏するのが普通ですが、
この動画では側面を見せて弾いているというのがおもしろいですね。

https://www.youtube.com/watch?v=e65ZWrncoCI

正月にみた重い映画「アメリカン・スナイパー」

2016.01.04.Mon.23:08
昨年2月末、劇場公開された
映画「「アメリカン・スナイパー」(2014年)を
私、年度末のバタバタで映画館へ見に行けませんでした。
昨夜(1/3)、やっとレンタルDVDで見ました。

華やかな「NHKニューイヤーオペラコンサート」の後に見たので
その落差の大きさと重い主題に打ちのめされました。
これは戦争映画でありながら、反戦の意識に満ちていました。

この映画の主人公は、イラク戦争に出征したアメリカ海軍の
特殊部隊ネイビーシールズの隊員クリス・カイル。

スナイパーである彼は、「誰一人残さない」という
人並み外れた狙撃の精度からレジェンドと称される。
故郷に残した家族を思いながら、スコープをのぞき、
引き金を引き、敵の命を奪っていくクリス。
911同時多発テロの後、
4回にわたってイラクに送られた彼は
心に深い傷を負ってしまう。
そして悲劇的な結末。

クリスを演じるのは俳優ブラッドリー・クーパー。
監督はクリント・イーストウッド
この映画のキャッチ・コピーは
「米軍史上最多、160人を射殺した、ひとりの優しい父親」

この映画では、
対戦車手榴弾を携え自爆テロをしようとする
イラク人の母子をカイルが射殺するなど
残虐なシーンがたくさん出てきます。
昨年、世界に衝撃を与えた「IS」の蛮行を思わせる
殺略シーンもありました。

しかし、いちばんの見所は
壮絶な戦闘シーンではなく登場人物の心理描写です。
戦うアメリカとイラク、帰還した兵士と家族という
2つの軸が輻輳するような展開が緻密に出来ていて、
この映画は人間の心理ドラマであることが痛感できます。
イラク側の困窮な状況などもしっかりと描かれていました。
両国の兵士にも家族がいる。
家族を守ることは国を守ること。だから戦う。
仲間がやられたらやり返す。復讐が続く。
勝っても負けても、どちらも深く傷つく。
負の連鎖のフーガがまさにこの映画です。

戦場では英雄であっても、母国に戻ってからは
生死をかけて戦ったの極限状態から解放されたクリスは
アメリカに戻っても、戦争の心的後遺症で苦しみます。
血圧は異常に高く、いつも緊張状態。
運転中にミラーに映る車に落ち着かない。
子どもとじゃれ合う犬を殴り殺そうとする。
普通の生活が送れない。
異常行為が目立つようになっていました。
痛々しかったです。

私、この映画を見ながら
ベトナム戦争から帰ってきた帰還兵の心的外傷を描いた
「7月4日に生まれて」「プラトーン」「地獄の黙示録」「タクシードライバー」
「ディア・ハンター」「ランボー」などを思い出しました。
戦争では勝者はいないと強く思います。

エンドロールも印象的でした。
なぜならシーンだけが進み、音が無かったからです。
死者への鎮魂と祈り、戦争への怒りなどが
沈黙のスクリーンから感じられます。
とても重たい余韻でした。

映画の冒頭で、クリスの父親が
「世界には無力な羊と、羊を襲う狼と、羊を守る番犬がいる。お前は何になる?」
と息子に訊くシーンがありました。
アメリカやスパイナーのクリスはまさに番犬です。
日本は戦後、ずっと羊でしたが、
昨年の安保法案可決によって番犬にもなれるようになりました。
2015年は「戦前」の元年になるかもしれませんね。

この映画は、戦闘シーンはかなり刺激的ですが、
出演者の心理描写には過剰演出はありません。
むしろ淡々としていて、その余白を埋めるのは
その映画を見ている人という作り方になっています。
画面の色彩トーンは、
砂塵の白っぽさと闇の黒っぽさが残像として残っています。
これは出演者の心理と同調していると言えます。

今、世界の映画好きは、
新作の「スター・ウォーズ」を楽しんでいるようですが、
私はそれに反して、重厚な映画をみてしまい、
心的切り傷を負ってしまった感じですw。



余談ですが、Mixiの映画レビューで
以下のような、とてもおもしろいことを書いている人がいました。
かなり映画を見ている方のようです。

たったひとりで160人を殺すのが『アメリカン・スナイパー』
たったひとりを8人で救うのが『プライベート・ライアン』
たったひとりの少女と戦うのが『フルメタル・ジャケット』
たったひとりも常人がいないのが『地獄の黙示録』


https://www.youtube.com/watch?v=Av1UW0myxiA