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今日のNHK-FMは、「小沢征爾、三昧」だった

2024.02.13.Tue.23:52
フェイスブックのクラシック音楽関係のコミュニティでは、先週、お亡くなりになった指揮者・小沢征爾氏を追悼する書き込みや思い出などが連日、多数投稿されています。いろいろな思いが溢れていて、彼の支持者が多数いることが感じられます。

私にとっての小沢氏は、彼の著書「ボクの音楽武者修行」の影響もあって、学生のころまではヒーロー的な存在でした。それなりにいろいろな音楽家の演奏を聴いているうちに、音楽的な嗜好も変わってきて、社会人になってからは、一定の距離感を保ちながら、彼の音楽を聴いてきました。個人的にはボストン交響楽団の音楽監督だったころの彼の演奏がいちばんよかったかも。巨匠感がある晩年よりも、気迫や勢いがある壮年期の演奏の方が聴き応えがあったと思っています。

今日の午後、所用先からの帰宅途中、車のラジオをつけたらNHK-FMで「クラシックカフェ」がはじまるところでした。この日は「予定を変更して、先週、お亡くなりになった指揮者の小澤征爾のディスクを聴いていただきます」とはじまりました。私、「NHKの十八番・追悼特集の番組きたな」と思いましたよ。
流された音楽は以下の通り。指揮はすべて小沢征爾

バルトーク作曲「管弦楽のための協奏曲から第5楽章」シカゴ交響楽団、
マーラー作曲「交響曲第5番から 第4楽章アダージェット」ボストン交響楽団
ラヴェル作曲「クープランの墓」からメヌエット 水戸室内管弦楽団、
ヨハン・シュトラウス作曲「美しく青きドナウ」ウィーン・フィル
武満徹作曲「弦楽のためのレクイエム」サイトウ・キネン・オーケストラ
ブラームス作曲「交響曲第1番ハ短調作品68」サイトウ・キネン・オーケストラ

中1の時、はじめて聴いたプロの指揮者が小沢征爾(オーケストラは新日本フィル)だったけれど、高2の時にはじめて聴いた外国のオーケストラがボストン響で、その時の指揮も小沢征爾。なんというめぐり合わせ。カーラジオから流れてきたバルトークの管弦楽のための協奏曲は、その時の来日公演のメインでした。いろいろ重なるなぁ…w。そのころ、彼が録音していたレコードは、彼の音楽性とフィットした作品が多かったような気がします。バルトーク、レスピーギ、ラヴェル、ベルリオーズなどなど。

帰宅後、いつものように夜のFMのクラシック番組をつけたら、「ベストオブクラシック」がはじまりました。この番組でも「予定を変更して、先週、お亡くなりになった指揮者の小澤征爾が指揮した水戸室内管弦楽団の定期演奏会のライブ録音を聴いていただきます」というナレーションから始まりました。
おもむろに、またか…と言う感じ。NHKの伝統芸のお見送り番組第2弾。

この演奏は、2012年1月に水戸芸術館コンサートホールで録音されたもの。
モーツァルト作曲「ディヴェルティメント ニ長調K136」
ハイドン作曲「チェロ協奏曲第1番ハ長調」チェロ独奏は宮田大
モーツァルト作曲「交響曲第35番ニ長調k385ハフナー」

実は、この時の定期演奏会は、大事件があった時なのです。
同じ演目が音楽会が2日間予定されていました。初日は小沢征爾氏が指揮。しかし2日目、極度の疲労のため小澤征爾氏が指揮をキャンセルし、指揮者なしで演奏されました。水戸芸術館側がそのことを演奏直前に発表したため、会場は騒然として、一部の観客が激怒して大騒ぎ。実は2日目の会場に私もいたのです。このドタキャンは、私もひどいと思いました。わざわざ遠方から水戸へ来た方も多かったみたいでした。演奏そのものは、小沢氏に恥をかかせるわけにはいかない…という水戸室内のメンバーの思いが熱演を生みました。小沢氏の晩年は、このようなドタキャンが度々あり、いろいろな方々に迷惑をかけてきたことは事実ですが、それでも小沢氏の演奏を聴きたいと思っていた人も多かったことも事実です。

小沢氏の晩年の20年間、私は水戸で聴く機会が多かったことは幸甚でした。しかし小沢氏とオーケストラがあまりにもツーカーの関係になっていたことが、一方で化学反応を起こすような演奏を少なくしていたようが気がして、少々、つまらないと思っていたこともあります。晩節を汚さないうちに引退した方がいいかも…とずっと思っていました。
しかしながら、小沢氏がお亡くなりになってからのこの1週間、小沢氏が私のヒーローだったころの存在に戻ってきたような気がするのが不思議です。
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ウクライナについての講演会を聞いた話

2024.01.22.Mon.11:56
1/20午前、近所の公民館で、市内のキリスト教系の大学の講師をしているウクライナ人・ジャブコ・ユリヤ氏による講演会を聞きました。30人弱ぐらいの参加者でした。

演題は「ウクライナの歴史と文化」。ウクライナがどのような国なのか、歴史の中でどのようにロシアと関わってきたか、現在のウクライナ情勢、昨年の一時帰国した時の話など。ユリヤさんは来日して十数年。日本語はペラペラで、講演も日本語でした。
私は報道でしかウクライナのことを知りませんでしたが、当事者から聞く話はリアリティがあります。歴史的な経緯を考えると、ウクライナがロシアに降伏することは絶対にありえないことを強調していました。昨年来のイスラエルとハマスの抗争、新年は能登半島地震などがあって、日本におけるウクナイナ情勢に関する関心が薄れてきていることを懸念されていました。

講演会後の懇談の時間、私はユリヤさんに、私が昨年2023年のニューイヤーカードを差し上げました。卯年だったのでモチーフはウサギです。ウクライナの国旗の色でピース・ラビットをデザインしました。とても喜んでいただけて、嬉しかったです。

講演会後に思ったのは、ロシアに北方領土を取られたままの日本って、ウクライナにとって反面教師なのかもしれません。死者がこれ以上でないように、けんか両成敗のような形で終着させることはできないものでしょうか。

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少し早めの紅葉狩り@北茨城

2023.11.11.Sat.15:18
11/7水戸市の友人Uご夫妻とともに、
北茨城市の花園神社の紅葉を楽しんできました。
ピークよりも1~2週間早めでしたが、
葉の色の移ろいゆく姿が見ることができました。
人が少なかったので、ゆっくりできました。

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昼食は、花園神社の近くのお店で、
山女魚や地元で採れた野菜の田舎料理。
実は紅葉よりも、こちらの方が楽しみなのです。

菊の葉・キノコ・なすの天ぷらなど・さしみこんにゃく・ふき・うど・カボチャ煮など

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山女魚の塩焼き

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11月のアサガオ

2023.11.09.Thu.10:00

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11月になったというのに、
庭先に赤紫色のアサガオが咲いていました。
おそらく夏に咲いた花の種が落下して
咲いたものだわれます。
こんな時期にアサガオが咲くなんて
ちょっと変ですね。

種を自然に落下して、
何もしないのに開花するサイクルが
できてしまったようです。

ヘルムート・ヴィンシャーマン・メモリアルコンサート

2023.11.09.Thu.09:49
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§1:盛岡バッハ・カンタータ・フェラインと私の出会い

この音楽会は、演奏の感想だけでなく、16年前からの経緯を記した方がおもしろいと考え、まず時計の針を16年前に戻します。2007年秋、私の地元、水戸芸術館で聴いた水戸室内管弦楽団の第70回定期演奏会は“オール・バッハ・プログラム”で行われました。指揮はバッハ演奏の権威ヘルムート・ヴィンシャーマン。演目は以下の通り。

ブランデンブルク協奏曲 第5番
ゴールトベルク変奏曲(ヴィンシャーマン編の管弦楽版)
管弦楽組曲 第3番。

私にとって最も印象に残ったのが、ゴールトベルク変奏曲の管弦楽版でした。この曲はグレン・グールドのピアノ演奏がきわめて有名ですが、その時、私が聴いた演奏は、指揮者自らが管弦楽版として編曲した版でした。そしてこの演奏に合唱も入るということも分かりビックリ。その合唱は、終盤の第30変奏の箇所に加わりました。合唱は盛岡バッハ・カンタータ・フェライン(mbkv)。20人ほどの編成でした。アマチュア合唱団とは思えないレベルの高さ。中編成の水戸室内管ともバランスがとれた美しい演奏でした。その時の私のmixi日記には、以下のような記述が残っていました。

「今日演奏されたゴールドベルク変奏曲は、本来なら鍵盤楽器の独奏曲ですが、今回はヴィンシャーマン編曲版でした。この曲は、シトコヴィツキーの弦楽三重奏曲で編曲された版も有名ですが、ヴィンシャーマンの編曲版も大変おもしろかったです。
主題は静かにチェンバロではじまりますが、変奏になると、弦楽合奏風、室内楽風、オーボエ協奏曲風、リード楽器によるアンサンブルと曲想に合わせた多彩な編曲で、驚きの連続でした。そして最後の第30変奏では合唱が加わりました。私は受難曲のコラールを聴いているかのような感動を覚えました。そして最後は、主題回帰がチェンバロで静かに演奏されて終わります。」

私がmixiにこのような日記がUPしたことがきっかけで、この時、ステージで歌っていたmbkvのメンバー・M氏と知り合い、今はFBで交流させていただいています。

この画像は16年前の水戸芸術館における演奏風景
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§2:あれから16年

2021年3月のコロナ禍の時、ヴィンシャーマンの訃報が打電されました。101歳。彼の音楽会は結局、水戸で聴いた時が最初で最後になってしまった。彼が指揮した受難曲やカンタータをライブで聴いてみたかったなぁ。
そんな時、今年9月、サプライズがありました。mbkvのM氏から、「11月に東京と盛岡でヴィンシャーマン先生のメモリアルコンサートを催します。東京公演、聴きにいらっしゃいませんか?」というメッセージと招待券が届きました。やった(^o^)v

■H.ヴィンシャーマン・メモリアルコンサート@東京
2023年11月3日14時@第一生命ホール
演目はすべてJ.S.バッハ作曲。
カンタータ 第93番「ただ愛しい神の統治に任せる者を」
カンタータ 第27番「誰が知っていようか?私の終わりがいかに近いかを」
J.S.バッハ:カンタータ 第140番「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」

指揮|佐々木正利
独唱|隠岐彩夏(SP)、小野寺貴子(Alt)鈴木准(T)、田中雅史(Bs)
合唱|岡山バッハカンタータ協会、盛岡バッハ・カンタータ・フェライン
   仙台宗教音楽合唱団、山響アマデウスコア
管弦楽|H.ヴィンシャーマン・メモリアルオーケストラ


§3:私の音楽会の感想

地下鉄月島駅から15分歩いて晴海のトリトンスクエアに来たのは初めて。(トリトン内のタワーオフィスの設計は、私がかつて勤務していた組織設計事務所も関わっています。)第一生命ホールはオフィス棟のほぼ中央の上部。ここは約750人収容の中規模クラシック音楽専用ホール。形状が四角いシューボックスではなく楕円型なのが異色。私が知る限りでは、このような形態の音楽専用ホールは、NZのクライストチャーチ・タウンホールしか知りません。しかし音響はとても良くビックリ。直接音と反射のバランスがよくクリアな音響で聴きやすかった。ちなみに私の席は2階の中央の最前列で、全体を見通せるよい席でした。

今回の合唱団は、ヴィンシャーマンと所縁があった4つの合唱団(岡山バッハカンタータ協会、盛岡バッハ・カンタータ・フェライン、仙台宗教音楽合唱団、山形アマデウスコア)のメンバーの混合合唱で、総勢70名ぐらい。ヴィンシャーマンと彼らは深い信頼関係があったようです。

3曲のカンタータを聴いて思ったのは、ヴィンシャーマンがバッハ演奏の指標としていた「明晰さ、生き生きと、喜ばしく」が、演奏にしっかりと根づいていたことです。ドイツ語の発声も正確でポリフォニーの意識も高い、やや早めの快活なテンポ感、そしてなにより歌うことの喜びと、バッハが遺した言葉を心を込めて伝えようとしている意識が感じられ、立派な演奏だったと思います。(決して褒めすぎではない)

佐々木氏の指揮は、予め私がCDが予習で聴いたカール・リヒターの指揮より早めでした。(140番のカンタータの冒頭の符点のリズムは、歩みというよりルンルンと闊歩するイメージだったのか?)全体を構築するというよりも、音楽的な推進力に軸足を置いていた感じで、ぐいぐいと音楽に惹きつけられるような緊張感が持続していました。私はサッカー観戦用の8倍双眼鏡を持参して、合唱団の方々の表情をガン見していましたが、やはり演奏者の方々の集中力は高く、亡きマエストロへの思いが強く感じられました。

演目の中ではカンタータ140番が名曲として特に有名ですが、今まで聴く機会がなかった27番が、意外におもしろかった。この曲は、ルカによる福音書にある「ナインの若者の甦り」が福音章句になっていて、「死」がテーマです。音楽に漂うイメージやオペラのような物語性がなんとなく「マタイ受難曲」と似ている…と感じました。また第3曲目のアルトのアリアは、ヴィヴァルディの「四季」の“春”の冒頭を引用したかのよう。こういう発見があって、私はこれまであまり聴いてこなかったカンタータに興味を持ちはじめました。バッハの音楽は器楽を中心に聴いていた私ですが、今後、カンタータにも嵌りそうでコワイ…w。リリング指揮のカンタータ全集が1万数千円で買えるので、ポチ買い寸前で踏みと止まっています。

一方でちょっと気になったのは、合唱団の規模のこと。4つの合唱団混成で総勢70人ぐらいがステージに上がりました、他に独唱者4人とオーケストラ17人。カンタータを聴くのにちょっと合唱が多めかなぁ。弱奏の時はキレイなポリフォニーが感じられたのに、強奏の時、ハーモニーが濁る瞬間がありました。
男女の比率が1:2では、男声陣がどうしても数的不利。それを補うために、男声が頑張ってしまい力みがあったのか?女声の人数が半分になれば、四声が数的にほぼ同等になります。ソプラノ・アルトを2組に分けて、交互に歌えば解決するのかな?と単純に思うのですが、誰もがステージで歌いたいことは理解できるので、そう簡単にはいきませんね。それと、今回の4合唱団の混合の響きは、力強くて厚めの大人のハーモニーでした。全然、合唱のことが分からない私の考えですが、合唱の中に若い声がもっと入ってくると、ハーモニーの若返りになるような気がしました。(そういえばアーノンクールが指揮したカンタータの140番の録音では、合唱の四声すべてが少年合唱団でした。)

§4 アンコールは3曲

予定されていた3つのカンタータの演奏後、指揮の佐々木氏がヴィンシャーマンとの思い出を語りながら、アンコールが3曲演奏されました。亡き師匠の思い出を語る…という感じで、とてもあたたかいよい時間でした。

ゴールトベルク変奏曲(ヴィンシャーマン編)から第30変奏クオドリベット
カンタータ第140番から第4曲目のコラールを全員でユニゾン斉唱
カンタータ第147番から「主よ、人の望みの喜びよ」

クオドリベットは16年前に水戸芸術館で演奏されたもの。懐かしかった。歌詞は「キャベツとカブが俺を追い出した、母さんが肉を料理すれば出て行かずにすんだのに…」というバッハには珍しい笑える内容。それとヴィンシャーマンへの敬意が、心を込めて歌われていることは、会場にいたほとんどの方が感じ入るものだったと思います。

終演後、この演奏会に招待してくださったmbkvのM氏にごあいさつして帰宅しました。